- インパルス試験はどんな試験ですか?
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インパルス試験とは、高電圧で幅の狭い(エネルギーの小さい)パルス電圧をコイルの両端に加えてコイルの状態を調べる試験です。コイルの断線、ショート、レアーショート、おおざっぱなインダクタンスの変化、絶縁不良等が発見できます。
- インパルス試験機は非破壊試験機ですか?
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印加する試験物(コイル)により耐力が変わりますので一概にはいえませんが、電圧値としては、AC耐圧試験と同じ位いの電圧を印加したりしますが、継続時間の短いパルスを印加するため、エネルギーがはるかに少なく、それ程のダメージを試験物に与える事は有りません。しかし、kVオーダーの電圧が掛かりますので予めピンホール試験等を行い、試験物(コイル)を劣化させてないか、確かめてください。
- インパルス試験の適性な印加電圧は?
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試験物(コイル)により変わりますので、一概には言えませんが、画面に出る放電ノイズがある程度の目安となります。放電ノイズは通常は画面左側の垂直に立ちあがった一番上の部分から発生し始まります。良品と思われるコイルでこの放電ノイズで出る電圧は高すぎると考えたほうが良いと考えられます。
- インパルス試験は耐圧試験の代わりになりますか?
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代わりになりません。
- 印加電圧は決まったが、何個か有る良品コイルのどれをマスターコイルに選べば良い?
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3~5個の場合はどれかを選んで接続し初期設定を行い、残りのコイルを接続し直しスタート釦を1回づつ押して、コイルの個数と同じだけ画面に波形を描き目で判断する。10個以上でこの方法が困難な場合は以下の方法が良いと思います。
※ 例えば良品コイル30個がある場合の選別- 仮の模擬マスターコイルを決める任意の物で良い
- 仮の模擬マスターコイルを記憶をする。その際AREA、DIF・AREAは10%、20%程度でよい
- 30個をテストし、DIF・AREAの数値の近い物を10個選別する
- 選別した10個のDIF・AREAの平均を求めて一番近い物を模擬マスターとする
- 模擬マスターコイルを記憶する
- 10個のコイルをテストし、AREAの数値の平均値を計算して求める
- AREAの平均値に一番近いコイルをマスターコイルとし記憶する