Qdmp判定(Q Dumping)試験方法のご紹介
当社では、新たにQdmp判定(Q Dumping)と呼ばれる試験方法を開発しました。この試験は、波形の「面積」を使ってマスタ波形とテスト波形の違いを比較し、製品の良否を正確に判定する技術です。専門知識がなくても分かりやすく理解いただけるよう、本ページで仕組みをご紹介します。
■ Qdmp判定とは?
Qdmp判定は、測定した波形の一部(判定範囲)について、
・マスタ波形の面積
・テスト波形の面積
をそれぞれ計算し、両者を比較することで良否を判断する方法です。時間軸方向(左右)に多少のズレがあっても、波形そのものの大きさを同じ判定区間で比較できる点が特徴です。
◆ Area判定との違い
Qdmp判定では、波形の伸び縮みに合わせて判定範囲を自動でずらして比較するため、時間軸の誤差に強いメリットがあります。
■ 1次ピークがずれても正しく判定できる理由
試験機の仕様上、まれに1次ピークだけ波形の位置がずれることがあります。このズレがあると従来方式では誤判定が発生することがありました。
しかしQdmp判定では、判定区間を自動で補正し、後続の波形が一致していればテスト品を良品として判定できます。
◆ 試験の有用性
1次ピークに一時的なズレが生じても、製品自体が問題なければ正しく良品判定されるため、判定のばらつきを大幅に減らすことができます。
■ マスタ波形とテスト波形の比較例
Qdmp判定説明図

上図のように、マスタ波形とテスト波形を比較し、判定区間内の面積の違いから判定を行います。
◆ 補足説明(Area判定の課題)
1次ピークで波形がずれると、その後ろの波形も連続して時間方向へずれていきます。従来のArea判定では判定区間が固定のため、このズレによりテスト波形の面積が変化し、同じ製品でも誤判定が発生する場合があります。
◆ Qdmp試験が有効な理由
Qdmp試験では、マスタ波形のL/Rで決めたゼロクロスポイントやピーク電圧ポイントと同じ位置をテスト波形側でも自動で検出し、判定区間をマスタと同じ条件へ合わせます。これにより、1次ピークでズレがあっても後続波形が一致していれば、正しく良品判定を行うことができます。







